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独り言 その五百十七

 大きいだけの鈴蘭です。

 古代中国に、簡雍(かんよう)という人物が居ました。
 三国志の主人公の一人である劉備に、旗揚げ当時から仕えたとされる人です。

 傲慢な性格だったとされ。
 かの諸葛亮と問答する際にも、自身は部屋に一脚しか無い長椅子に寝そべり、諸葛亮を立たせたままにした…という話が残っているとか。
 しかし、そうした振る舞いをしても、彼を悪く言った話は残っておらず。
 皆から一目置かれる存在であったことが窺われるそうです。

 そんな彼ですが、三国志の中ではあまり活躍の場がなく。
 唯一、敵国の君主を弁舌の才によって無条件降伏させた…という話が残るのみ。
 生没年も明らかではありません。

 …ただ、英雄が乱世で活躍する話とは一風変わった、こんな話が残されています。



 その昔。
 劉備の治める国で大凶作となり、その年の食糧難が予想されました。
 これを憂えた劉備は禁酒令を出し、酒造りに米を使うことを禁じたのです。

 禁酒令が布告されてから、暫くのこと。
 ある町人が罪に問われ、役人が家を検めたところ、醸造に使う道具が見つかりました。
 役人は「禁酒令の布告後も醸造の道具を持つのは、法を破るものだ」として、町人を処罰することに決めたのです。

 この処罰の裁量を求められた劉備は、簡雍を連れて町に視察に出掛けました。
 禁酒令の布告された町の様子が気になったのです。

 実際に劉備が目にした町は平穏そのもので。
 品行は乱れなく治まり、食糧難の不安を感じることはありません。

 彼は、禁酒令の布告は正しいものだったと思いました。



 劉備たちが町を見回っていると。
 通りの向こうから、若い男女が仲睦まじげに歩いてきました。
 その幸せそうな二人を指差し、簡雍は劉備に言います。

  簡雍『あの二人を捕らえましょう』

 劉備は驚いて簡雍に問い返します。

  劉備『あの二人は道を歩いているだけだ。何故捕らえるのか?』

 簡雍はこれに即座に答えます。

  簡雍『醸造の道具を持っているだけで禁酒令を破ったとして、罪に問われるのであれば。彼らは淫具(性行為に使う道具)を持っています。品行の乱れも甚だしい。同じく処罰しなくては』

 これを聞いて、劉備は大笑いして。
 醸造の道具を持っていたことで捕らえられた町人を、判断の誤りだったとして赦し、禁酒令を改めたそうです。



 公式が、所謂『アンガ掘り』の対策に乗り出すと聞きました。

 個人的には…この動きに不安を感じています。
 ユーザーの遊びに、公式が善悪を定める事になりはしないか…と。

 枠組みを厳格にして、品行を改めようとしても。
 そこに住まう人の意識までが改まるとは限りません。

 寛容な枠組みの中。
 個人個人、自らが望んで行動した結果が、品行のおさまる形になる。
 そう『仕向ける』のが本来ではないか…と、思う鈴蘭です。



 『アンガ掘り』対策と聞いたとき。
 何故か、この簡雍のエピソードを想起しました。

 …皆さんには、通じるものがあると思われるでしょうか?
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