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独り言

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 止まり木である私の枝に小鳥が訪れるようになって、暫くのこと。

 1人の時間を忘れて、毎日を楽しく過ごす中。
 小鳥が『もっと高く、遠くを飛んでみたい』と口にしました。
 しかし続けて『そうすれば此処に来る時間が減ってしまう、どうしたものか…』と、小鳥は悩みを漏らしたのです。
 そんな小鳥の迷いに、私は迷わずこう返しました。

 私はいいから、あなたの飛びたいように飛んでください。

 その私の言葉に嘘はありません。
 私にとって、小鳥との時間は大切なものでしたが。
 それは、小鳥を虜にして得たところで意味のないものでしたから。
 私にとって、楽しみの時間が減るのは寂しいことでしたが。
 それは、小鳥が遠く空を見上げる姿を目にする悲しみに比べれば、どうということのないことでしたから。

 ここで大事を間違って、小鳥の求める自由な空を奪うことはできません。
 私が私であるように。
 小鳥は小鳥らしくあって欲しい。
 それが私の本心でした。

 私のために枝に留まってくれと言うこともできたでしょう。
 しかし、見返りを求めて小鳥を好きになったのではありません。
 私のために小鳥を枝に留めれば、私の気持ちが嘘になってしまいます。



 私は、私の一時の欲ために、あの言葉を後悔に変えたくはないのです。



 今、私の枝に小鳥の姿はありません。
 1人、空を見上げる時間が戻ってきました。
 しかし、耳を澄ませば、空を飛ぶ小鳥の囀りが聞こえてきます。

 …大丈夫。

 楽しい時間は今も変わらず続いています。



 慣れとは怖い。
 その自戒を込めて此処に記す。
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