FC2ブログ

独り言 その壱千参百九拾八

 大きいだけの鈴蘭です。




eXp Realtyという会社、きいたことありますか? 今、急成長で注目を集める、北米の不動産会社です。ネタ元のSingularity Hubによれば、昨年10月以降、株価は3倍。4月の発表では、7ヶ月足らずで不動産代理店スタッフの数が2倍に急増しており、飛ぶ鳥を落とす勢いです。今年5月にはナスダックにも上場。急成長の鍵となっているのは、バーチャルリアリティ、仮想現実です。

eXp Realtyは、現実世界に(ほぼ)オフィスがなく、物理的に出社する社員もほぼゼロ。企業活動のメイン(本社的な役割)となるオフィスがあるのはバーチャル世界の中です。社員の出社=ログインからのアバター出社です。

出社しなくていい会社は、近年、珍しくはありません。ただ、eXp Realtyのやり方は、Slackや動画チャットで会議をしたり、進捗をネットサービスで管理したりすることで、家から仕事できるというのとは違います。セカンドライフやどうぶつの森のように、あっちの世界で出社=集まっているのですから。

VRオフィスには社員のアバターが集い、会議や研修が開かれます。社員間のコミュニケーションもVRの世界でとれます。出社義務なしで顔を合わさないと、社員同士の関係性が心配なんてことありません。アバターは顔を合わせてます。あっちの世界で、同僚と会議室まで一緒に雑談しつつ歩いたり、フリースペースで休憩したりしているんです。



 この記事を見て、一昔前に流行った『セカンドライフ』を思い出した人もいたようですね。

 現実に比べて時間と空間の制限の緩やかな仮想現実のオフィスであれば、通勤の煩わしさとは無縁です。
 その点だけを見ても、仮想現実に魅力を感じる人は少なくないでしょう。
 仮想現実ならではの利便性。
 現実には望み得ないそれらを持つ仮想現実は、『あったらいいな』が形になった夢のような世界にも思えます。



 ただ…どうなのでしょうね。



 以前に何かの折に独り言で触れたように思いますが…。
 見ただけで瞬時に複雑な数式を解いてしまうという、数学に特異な才能を示す子供について、何が常人とそこまで違うのかを科学的に調べた結果…。
 その子供は、常人には何の変哲もない数字そのものに色や匂い、音…果ては人と同じような個性を感じていたそうです。
 私達は数字の羅列を見たところで、そこに何かの別の意味を見出したりはしませんが。
 その子供には、その数字の並びによって色の調和であったり、音の旋律であったりを感じたりすることができ、数字や数式を理屈だけではなく、感覚的な快、不快で判断できる才能がある…と分かったのだそうです。

 それは極端な例ではありますが…。
 しかし、私達にとって全く無関係なものではありません。

 私達の記憶も、その時々で体験した五感の経験が紐付いて作られています。
 何かを思い出すとき、人はその瞬間を五感の感動と共に多次元的に思い出すのです。
 先の子供が、数字を見るように。
 私達は深い感動を覚えた物事に色を乗せ、音を合わせ、匂いをつけ、味を足し、肌の感触を残し…そうして、記憶としての重みをつけて見ているのです。
 それは、多くの人が持つ…当たり前の才能です。



 仮想現実は現実よりも自由な場所。
 望めば何処へでも、何処までも行ける。

 それは間違いではありません。
 でも、そうして何処へ行こうとも…。
 仮想現実では、現実に得られるはずの五感の感動は得られません。
 それは、自由を望みながら、自由を望み得ない牢獄に自ら進んで入るようなもの…というのは言い過ぎでしょうが。
 でも、それに似て…現実では難しいからと、仮想現実に答えを求める事が、決して良いことばかりではないのではないか。
 …そんなことを思った鈴蘭です。



 たとえ不便であろうとも、そこに五感に紐づく感動がありさえすれば…。
 それがどんなものであれ、貴重な記憶になることができます。

 何もポジティブなものばかりが感動というわけではありません。
 ネガティブなものも得難い感動なのです。



 これは、仮想現実のそれとは違うお話です。
 ですが…
 この幼稚園も、仮想現実のそれと同じ脈絡にあるものではないでしょうか。



 後になって、仮想現実のオフィスでの事を思い出すとき。
 そこに、記憶に紐付いた五感の感動が無いのでは…。
 ただの数字の羅列を眺めるように、何も感じず。
 きっと、何を話したのか思い出せないのではないか…と思うのです。

 仮想現実であるからこその便利さ。
 現実であるからこその不便さ。
 そうしたものがあるように。

 仮想現実であるからこその不便さ。
 現実であるからこその便利さ。
 そうしたものがあるはずです。

 そこに思い至らなければ…。
 どれだけ便利になろうとも、きっと、何も意味はないでしょうね。 



 今週は金土日の三連休。
 なんのかんの言いつつも、そこには私の楽しみがあるのは確か。
 それは仮想現実に足りないものを補う遣り取り。
 私は私の楽しみのために、仮想現実の世界に浸らせていただきましょう。
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する