独り言 その壱千弐百九拾五

 大きいだけの鈴蘭です。




(´・ω・`)
(つ■と)
あー…。




 父が好きで、こういう遊びのある酒器とか作っていたのを思い出します。
 子供の頃は、私自身もアレコレ作ったりしてましたね…。
 豚の蚊取り線香入れに触発されて、いろいろ作りましたよ、ええ。
 …いやはや、懐かしい;



 ところで、これを見て思い出したのですが…。



 古代ローマ時代、火山によって一晩で灰の下に埋もれてしまった都市…『ポンペイ』。
 現代に考古学調査によって掘り出されるまで、灰に覆われ、灰に守られるようにして眠り続けてきた悲劇の街。
 当時の姿を今に伝えているそこに、当時使われていた水道施設が残されています。



 古代ローマ人の浴場設計技師が、現代日本にタイムスリップして銭湯と出会いカルチャーショックを受けるコメディ作品『テルマエ・ロマエ』では、ローマの浴場について語られていますが…。

 古代ローマの水道施設は、非常に高度に発達していた事で知られています。
 これは、ローマには浴場を始めとした施設を支えられるだけの水源がなく、遠方から大量の水を効率的に運ぶ為、必要とされた結果なのだそうです。

11本の水道によりローマ市に供給された水量は1日に100万立方メートル(3億ガロン相当)にもなり、1人当たり1m3/日(1000リットル)[1]と、現代の東京都民の水使用量233リットル/日[2]を遥かに凌いでいた。
                 【Wikipedia:『ローマ水道』より】



 こうした、発達したインフラ設備によってローマの繁栄が支えられていた…とも言えますが。
 実は、ローマの衰退は水道を始めとしたインフラ設備の老朽化が原因ともされており…こうした表裏一体の関係に歴史の面白さを感じさせます。

 現代の私達にとって、インフラ整備というと国や自治体が計画・管理する公共事業というイメージがあります。
 しかし、古代ローマにおいては、これだけ巨大な公共施設でありながら、建設費用は市民の寄付か貴族の私財によってのみ賄われていました。
 当時は、国がインフラを整備するという概念がなかったのです。
 国が潤っていた絶頂期に寄って集って一気に建設されたため、施設の老朽化も一気に押し寄せてしまい…。
 施設の維持ができなくなったことで国力が低下したのだ、と。



(´・ω・`)
(つ■と)
老朽化するのは分かってたろうし、少しずつでも直すべきだったんじゃ?




 …それがそうも行かなかったのです。
 こうした事態を招いた要因の一つに、当時のインフラの建設は、記念碑の建設と同レベルの認識であったことが挙げられます。
 ゼロから施設を建築し、そこに名前を残すことには熱心でしたが、補修や管理などには建設者ほどの名誉が得られないとあってか、誰もが消極的であったため、破損したものは直されずに放置する傾向にあったようなのです。
 国が主導した事業であれば、税を元に継続的に予算が組まれて維持もされたことでしょう。
 しかし、古代ローマでは貴族や市民の寄付に頼っていたため、関心が無いことには全くお金が出なかったのです。



(´・ω・`)
(つ■と)
…話が逸れた?




 いえいえ…もうちょと続けます。

 このポンペイの水道施設に、『配水塔』というものがあります。
 これは、都市の外から引き込んだ水を高所に貯め、高低差を利用した水圧で都市の各所に水を送るためのもので…。
 石造りの巨大な水槽に、3本の水道管が繋げられた構造になっています。
 この3本の水道管。
 配水塔の内部で、それぞれ違う高さに接続されています。
 これは、かつては『身分に応じて、乾季における配水の優先順位が決められていたのだ』と言われており。
 子供心に、古代の人の在り方に感動したのを覚えています。

 …しかし近年、この説は疑問視されていると聞きました。

 階級ごとに配水を制御するとなると、配水塔から伸びる水道管の構造が複雑になりすぎ、おそらく当時の技術では作れなかったであろう、ということ。
 また、古代ローマ市における水の使用量の記録が見つかり、それによると、皇帝>貴族>民衆の優先順位となっていたことが分かったそうです。
 (共和制と帝政では話が別、ではあるでしょうが)
 それらから、ポンペイの配水塔の構造は、大まかに農業用水、工業用水、生活用水の区分に分けられたものではないか…と。
 子供の頃の夢から醒めてしまったのは残念ですが…。
 しかし、その御蔭で今回の酒器を見て思い当たったのです。

 この酒器の構造。
 多分、このポンペイの配水塔のそれと同じような構造なんでしょうね。
 猫の持つ徳利の口の高さは、おそらく一合分に御猪口一杯分足りない位置にあるのでしょう。
 一合分を注ぐと、溢れた分が徳利の口から御猪口に流れるように出来ているのです。



(´・ω・`)
(つ■と)
…シンプルやけど、可愛らしい良い酒器やね。




 過去に作った経験から言うと…。

 機能的に、もっと趣向を凝らすことも出来なくはありません。
 ですが…『器』である以上、人の手で使われて、汚れます。
 汚れたものは洗わねばなりません。
 しかし、趣向を凝らして構造を複雑にすると…洗うに洗えないものになってもしまうのですよ;

 ローマの水道と同じです。

 作るとき、出来た時は良いでしょうが…。
 後のことを考えずにいては、すぐに駄目になってしまうのです。

 本当に良いものは、驚くほどシンプルに出来ているものだと思います。

 構造を複雑にすれば、面白いものはいくらでも作れます。
 ですが。
 それは、使う人のことを思った面白さとは限りません。
 それは、作った人の面白さ…というだけのことかもしれないのですから。



(´・ω・`)
(つ■と)
…ふむ。




 …そこで、ふと。

 ローマの水道。
 猫の酒器。

 その2つを見て。
 なんとなく…。
 今のPSO2を思った鈴蘭です。
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