独り言 その壱千弐百九拾弐

 大きいだけの鈴蘭です。

 日本ではあまり馴染みがありませんが…トルコ、イラク、イラン、シリア、アルメニアの国境線に跨るようにして、クルド人の居住地域が存在しています。
 クルド人の人口は約2500万人。
 独自の国家を持たない民族としては、世界最大規模と言われます。

 かつてはオスマン・トルコ帝国の支配を受けていましたが、第一次世界大戦でトルコが敗れたことにより、英仏露の協定に従って居住地域が分割されてしまい。
 以降は、民族が分断された状態が続いています。

 これまでも、自主独立の為に各国政府と衝突を繰り返して来ており。
 クルド人の武装勢力は、周辺国にとっての脅威となっています。

 特に最近…。

 IS勢力の掃討に乗り出したものの、湾岸戦争によって壊滅した軍の立て直しができていないイラクが、自国内のクルド人に戦後の独立を提示して協力を要請。
 念願の独立が叶うとあって、発奮したクルド人の武装勢力の働きにより、イラクに存在したISの拠点は壊滅させることができました。
 …が。



  イラク『独立はやっぱナシね(´・ω・`)フハハ』



 見事なちゃぶ台返し。
 イラクのクルド人支配地域には大きな油田があり…イラクとしても『はいそうですか』と渡せないのは分かりますが…。
 ちょっとヒドイ話です。

 これをキッカケにしたのか、クルド人の独立運動が加熱して周辺国に飛び火。
 特にトルコは、人口2割に当たる1500万人ものクルド人が国内におり…対応を誤れば国が傾くことにもなりかねません。
 シリア問題とも絡んで…誰が何を主張して、誰と協力し、誰と対立しているのか、傍目には分からない状況になっているようです。

 …そんな泥沼なところで。




 【ニュース】3千年前の神殿が破壊される、ここが貴重だった

 歴史的建造物が、トルコ軍の空爆によって破壊される…という事態が起きてしまいました。

アインダラ神殿
 鉄器時代のヒットタイト新王国のアインダラ(Ain Dara)神殿。紀元前1300年から紀元前700年ごろにさかのぼり、現在、クルド人勢力が支配するアフリン(Afrin)地域にある村にちなんで名づけられた。



 3000年前の遺跡ですか…。

 文化財が蔑ろにされてしまった…というのは悲しいですね。
 それが政治的、宗教的に対立する相手のものであっても、等しく『人間の文化』であることに違いはないのですから。
 
 ただ…。

 破壊された事は悲しむべき出来事ですが…破壊された事の是非を問うのもおかしいかな…と、思った鈴蘭です。
 …変だとお思いでしょうか?
 しかし、歴史というものが人間の選択の結果の積み重ねである事を思えば。
 この破壊も、歴史の一部であることに変わりはなく。
 それを無かったことには出来ませんし。
 それを無かったことにしてはいけないでしょう。

 許されざるべきこと。

 その批判は良いと思います。
 …でも。
 その批判で全てを塗りつぶすのは、破壊と同じく『許されざるべきこと』ではないでしょうか。


  そこで立ち止まらず、破壊の先にあるものを見据える必要があるんやないかねぇ…(´・ω・)



 …そういえば、こうした対立の構図…。
 今のクルド人の置かれた状況は、日本も他人事では無かったかもしれない…というのは、ご存知でしょうか?

 第二次世界大戦で敗北した日本は、戦後処理を巡って、当初は戦勝国による分割統治の案もあったのです。



 1951年に開かれた、日本の運命を左右するサンフランシスコ講和会議。
 その席上、日本を分割占領から救ってくれたのが、当時スリランカ代表を務めていたジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナ氏でした。

 ジャヤワルダナ代表は自らはスリランカ代表であったものの、『何故アジアの諸国民は、日本は自由であるべきだと切望するのでしょうか。』と切り出して、以下のように語りました。

 それは我々の日本との永年に亘るかかわり合いの故であり、又アジア諸国民が日本に対して持っていた高い尊敬の故であり、日本がアジア緒国民の中でただ一人強く自由であった時、我々は日本を保護者として又友人として仰いでいた時に、日本に対して抱いていた高い尊敬の為でもあります。

 私は、この前の戦争の最中に起きたことですが、アジアの為の共存共栄のスローガンが今問題となっている諸国民にアピールし、ビルマ、インド、インドネシアの指導者の或人達がそうすることによって自分達が愛している国が開放されるという希望から日本の仲間入りをした、という出来事が思い出されます。

 セイロンに於ける我々は、幸い侵略を受けませんでしたが、空襲により引き起された損害、東南アジア司令部に属する大軍の駐屯による損害、並びに我国が連合国に供出する自然ゴムの唯一の生産国であった時に於ける、我国の主要産物のひとつであるゴムの枯渇的樹液採取によって生じた損害は、損害賠償を要求する資格を我国に与えるものであります。

 しかし、我国はそうしようとは思いません。



 ジャヤワルダナ代表は『日本に対する賠償請求権を放棄する』と続け。
 その理由として、仏陀の『憎悪は憎悪によって消え去るものではなく、ただ愛によってのみ消え去るものである(hatred ceases not by hatred, but by love)』という言葉を引き…。

 戦争は戦争として終わりました。
 もう過去のことです。

 我々は仏陀の教えを知る仏教徒です。
 やられたらやり返す、憎しみを憎しみで返すだけでは、 いつまでたっても戦争は終わりません。
 憎しみで返せば、憎しみが日本側に生まれ、新たな憎しみの戦いになって戦争が起きるでしょう。
 戦争は憎しみとして返すのではなく、優しさ、慈愛で返せば平和になり、 戦争が止んで、元の平和になるのです。
 戦争は過去の歴史です。
 もう憎しみは忘れて、慈愛で返していきましょう。



 …そうして演説を終えました。
 元々、米英は分割統治に消極的な立場であったとも言われていますが、ソビエトは分割統治を主張しており、戦後処理がどのように進められるのかは不透明な状況でした。
 しかし、この演説により講和会議に参加した49カ国がジャヤワルダナ代表を支持。
 日本の戦後処理は主権を回復させ、国際社会への復帰を促す方向に向かうことになりました。

 当時の吉田茂首相は、『日本人はこの大恩を後世まで忘れてはならない』と語ったと言われています。

 ちなみに、戦後の日本が世界で最初に国交を結んだ国がスリランカだったりするそうです。
 『国家に真の友人は居ない』と言ったのは、キッシンジャーでしたか。
 ジャヤワルダナ氏を見ると…アナタの言う『真の友人』とはなんぞや…などと思ってしまいます。
 『居ない』と思えば居ないのでしょうし。
 『居る』と思えば居るもの…なのかもしれませんから。



〒 〒
(´・ω・`)
(つ■と)
天は自ら助くる者を助く…ってか。




 …そうですね。
 それは、自分が望まない限り、決して現れることのないもの。
 批判や否定ばかりでは手の届かない理想…でしょう。

 ここで、ふと。

 ネットワークゲームの流行り廃りは、同じものに振り回されているからこそのことではないのか。

 …そんなことを思った鈴蘭です。
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